現代の帆船のいろいろ
帆船というと
(出典→http://www.tallshipstales.de/)
↑こんな感じを思い浮かべる人が多いと思います。
海賊船や大航海時なんていうのが連想されるかもしれません。
そんな帆船は今でも実は世界にもたくさんあって、
練習船、訓練船
①日本丸
日本が所有する大型帆船で貨物船や客船など大きな船の免許を取るための実習に使われます。
(出典、公式リンク→http://www.kohkun.go.jp/ship/nipponmaru/index.html)
②パラダ PALLADA
ロシア海軍が所有する訓練船です。2014年に「長崎帆船祭り」で日本に寄港しています。
(出典→http://it-material.de/2009/08/russian-tall-ship-pallada/)
客船
③ロイヤル・クリッパー Royal Clipper
スタークリッパー(日本語公式サイト:http://www.starclippers.jp/)が運航する客船で、風の力で航海するため乗組員はみな「おもてなしの心」と「帆走の技術」を持っています。優雅なだけじゃない、冒険だけじゃない、そんな船旅ができる客船です。
セイルトレーニングシップ
④アイ・オブ・ザ・ウィンド Eye of the Wind
(英語、ドイツ語公式サイト:https://www.eyeofthewind.net/en/)
赤い帆がかっこいい帆船です。セイルトレーニングを題材にした映画「白い嵐」(原題 White Squall)の撮影にも使われたので見覚えがある人もいるかもしれません。イギリスの船ですが、世界中を回りながら一般の青少年向けのプログラムを実施しています。
セイルトレーニングという活動を詳しく知るには「白い嵐」はおすすめの映画です。
いろいろな事情を抱えた少年たちの成長と海の圧倒的な映像は、船のことをまったく知らなくても楽しめます。
(出典→https://www.indiegogo.com/projects/tall-ships-artist-project#/)
⑤オーステルスヘルデ Oosterscherde
1918年に作られて当時は土砂や穀物などを運ぶ貨物船でしたが、貨物船の役目を終えてからは、セイルトレーニングシップとして活躍しています。「SAIL OSAKA'97」で大阪に来ています。船は手入れされれば100年を越えて立派に走り続けるということにびっくりですね!
(出典、公式サイト→http://www.oosterschelde.nl/en/photo/oosterschelde/)
⑥あこがれ→みらいへ
現在日本で数少ないセイルトレーニングを体験できる「みらいへ」。もともとは大阪市所有の「あこがれ」で一般の参加者とともに世界一周を成し遂げています。
(出典→http://www.city.osaka.lg.jp/port/page/0000269121.html)
(公式サイト:http://www.miraie.org/)
復元帆船
⑦エンデバー Endeavor
エンデバー号は18世紀後半にイギリスの航海者キャプテン・クックと乗組員が当時未開の地であったオーストラリア、ニュージーランド、ハワイなど太平洋の島々を含む壮大な航海をした船です。この船はレプリカとして作られ、帆の形や枚数から船の中まで再現されています。当時の技術を用いての航海をするという、検証や技術の伝承の役目とともに、現在はオーストラリアで青少年向けの教育プログラムも行っています。
(出典、公式サイト→http://www.anmm.gov.au/whats-on/vessels/hmb-endeavour)
学校としての船
⑧ロベルト C シーマンズ Robert C. Seamans
SEA Semester(公式サイト→http://www.sea.edu/)の帆船で、例えるなら「船が学校」ということです。海洋や環境などを含む多くの分野の研究者や先生と学生が乗り組み、帆船で航海をしながら、授業や研究をして学びを深めていきます。海というフィールドでだからこその深い学びができる学校のカタチです。
(出典→http://jonathanwaterman.com/index.php/field-notebook)
おまけ 貨物船
帆船の貨物船は蒸気船の出現で姿をほとんど消しましたが、近年の原油高で帆走する貨物船の研究が再び進んでいます。(今現在は原油の価格が下落したこともあり下火ですが、研究は続いています。)風というエコなエネルギーで環境にやさしくものを運べるのはすごいことです。
日本でも小型のタンカーなどに固定型の帆(布ではない)が装備された船が作られていました。
そんななか、ドイツのSkySails社(公式サイト→http://www.skysails.info/index.php?id=3)はこんなことをしています!
凧のような帆を装備することで追い風の時に燃料の節約ができるんだそうです。この凧は自動制御で風をとらえてくれるということで、手軽に使うことができます。
将来的には、風の力をりようする未来型の貨物船の時代がやってくるのかもしれません。
いかがでしたでしょうか?
いろんな形で帆船という文化が必要とされて残っているのがすごいですね。
もちろんこれらの帆船は映画の撮影や、絵や写真の題材として芸術の面でも活躍しています。